- 1回分はえんどう豆くらい、またはそれより小さく
- できた瞬間に与えて、何を褒められたかを伝える
- 場所の難しさに合わせて、おやつの「価値」を使い分ける
- 1日のおやつは摂取カロリーの10%未満に
- 覚えてきたら、褒め言葉や遊びにも少しずつ置き換える
しつけにおやつを使う理由
犬は、うれしいことが起きた直前の行動を繰り返しやすくなります。「おすわりをしたら、おいしいものがもらえた」という経験を重ねることで、その行動を覚えていきます。これが、ごほうびを使ったトレーニング(正の強化)の考え方です。
AKC(アメリカンケネルクラブ)は、望ましい行動に対してごほうびを与えるほど、その行動が次も起きやすくなると説明しています。
おやつの大きさは「えんどう豆大」が目安
トレーニングでは、短い時間に何度もごほうびを与えます。1回分が大きいとすぐにお腹がいっぱいになり、集中も途切れやすくなります。AKCは、しつけ用のおやつはえんどう豆くらい、またはそれより小さくすることを勧めています。
マルチーズなどの小型犬なら、なおさら小さくする意識が大切です。大きめのおやつは、あらかじめ割って小分けにしておくと使いやすくなります。
おやつの価値を使い分ける
犬にとっての「うれしさ」は、おやつによって違います。AKCは、周りの誘惑が多い場所ほど、価値の高いごほうびを使うよう案内しています。
| 練習する場所 | 難しさ | ごほうびの例 |
|---|---|---|
| 家の中 | 低い | 普段のフードの粒など |
| 庭・静かな屋外 | 中くらい | 市販のトレーニング用おやつなど |
| 公園・人や犬が多い場所 | 高い | 愛犬が特に好きなおやつ |
価値の高いおやつはカロリーも高くなりがちです。VCA動物病院は、価値の高いおやつを使う場合もカロリーに注意するよう呼びかけています。
回数が増えてもカロリーを超えない工夫
1回分が小さくても、回数が増えれば合計カロリーは大きくなります。VCA動物病院やWSAVA(世界小動物獣医師会)は、おやつを1日の摂取カロリーの10%以内に収めるよう案内しています。
計算例:1枚32kcalのビスケットを8つに割る場合
| 1日の摂取カロリー | おやつの上限(10%) | 1かけ約4kcalなら |
|---|---|---|
| 200kcal | 20kcal | 約5回分 |
| 300kcal | 30kcal | 約7回分 |
| 400kcal | 40kcal | 約10回分 |
ほかのおやつや人の食べ物を与えた日は、その分も合計してください。愛犬の1日の摂取カロリーに合わせた量は、おやつのカロリー計算ツールで確認できます。
- その日に使う分を朝に取り分けておく
- 主食のフードの一部をごほうびに回す
- 練習は1回数分の短い時間で区切る
与えるタイミングと減らし方
できた瞬間に与える
ごほうびが遅れると、犬は何を褒められたのか分かりにくくなります。望ましい行動をした直後に与えましょう。すぐに取り出せるよう、小分けにしたおやつをポーチなどに用意しておくと便利です。
覚えてきたら少しずつ置き換える
行動が身についてきたら、毎回ではなく時々おやつを与える方法に移ります。VCA動物病院は、おやつだけでなく、褒め言葉やなでること、おもちゃ遊びも組み合わせるよう勧めています。
しつけ用に使ってはいけない食べ物
身近な食べ物の中には、犬に有害なものがあります。代表的なものは次のとおりです。
- チョコレート
- ブドウ・レーズン
- タマネギ・ネギ・ニンニクなどのネギ類
- キシリトールを含む食品(ガム、一部のピーナッツバターなど)
人の食べ物を小さく切ってごほうびにする場合も、味付けや原材料に注意してください。
しつけ用おやつの選び方
- 小さくできるもともと小粒か、割って小分けにできるもの。
- 1個あたりのカロリーが分かる回数が多くても合計を計算しやすい。
- 持ち歩きやすい手が汚れにくく、ポーチに入れても崩れにくいもの。
- 原材料を確認できるキシリトールなどの有害な甘味料や、愛犬のアレルギー食材が入っていないもの。
- 愛犬が喜ぶどれだけ条件がよくても、食べたがらなければごほうびになりません。
小さく割れる、原材料がわかるビスケット
Lifeplus Pets ピーナッツバター ビスケットは、1枚(7g)約32kcalのハート型ビスケットです。手で割りやすく、小型犬のトレーニングでも1回分を小さくして使えます。
ピーナッツ・そば・ココナッツなどを使用しています。これらにアレルギーがある犬には与えないでください。妊娠中または繁殖期の犬には推奨されていません。
よくある質問
しつけのおやつは1日何回まで?
回数ではなく、合計カロリーで考えます。1日の摂取カロリーの10%未満に収まるよう、1回分を小さくして調整してください。
普段のフードをごほうびにしてもいい?
はい。家の中など集中しやすい場所では、普段のフードの粒も十分ごほうびになります。その日の食事量から取り分けて使うと、カロリーの管理もしやすくなります。
おやつがないと言うことを聞かなくなりませんか?
覚えてきたら、毎回ではなく時々与える方法に切り替え、褒め言葉や遊びも組み合わせていくことで、おやつに頼りすぎない関係をつくれます。
子犬のトレーニングにも使えますか?
使えますが、成長期は主食の栄養バランスが特に大切です。おやつは小さく割って少量にし、心配な場合は獣医師に相談してください。
小さく割って使える犬用ビスケット
1枚(7g)約32kcal。小麦・トウモロコシ・大豆・キシリトール不使用のそば粉ベースです。
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参考資料
- American Kennel Club:Using Food Rewards in Dog Training
- VCA Animal Hospitals:Using Food and Treats for Training Dogs
- World Small Animal Veterinary Association:Feeding treats to your dog
- ASPCA:People Foods to Avoid Feeding Your Pets
本記事は一般的な情報の提供を目的としており、獣医師による診断・治療の代わりとなるものではありません。愛犬の健康状態について心配がある場合は、かかりつけの獣医師にご相談ください。